このご時世の初顔合わせって。

ちょっと前に仕事の打ち合わせに数か月ぶりに繁華街へ行った。

電車の方が便利なので仕方なしに電車で行ったけど、未だに慣れんね。

 

車で行けばイライラするし、電車で行けば妙な緊張感でどっと疲れるし、結局は家から基本的には出たくないんだよね。

 

この日の打ち合わせは担当さん(仮名:高杉さん)だけでなく、彼の部下(仮名:高杉Jr. ♀)も同席。

ずっと前から彼女とは電話では話してたので『あーあなたが高杉Jr.さんですか!』といった風で初対面だけど、そうじゃない雰囲気の中、打ち合わせスタート。

 

お互いに軽く「いつもお世話に~はじめまして~」等の挨拶と名刺交換を済ませ『さて打ち合わせ始めますか!』のタイミングで高杉さんが忘れ物だとかで席を立った。

 

高杉Jr.と二人きりの部屋。

話したことがあっても、やっぱり初対面なんだよね。

で、考えないようにしてたけどもお互いに声の印象ってやつがあるんだよ。

私も高杉Jr.には『声がか細くて可愛いから、小柄で可愛らしい人なんだろうなぁ・・・』と思ってたの。

自分に対しても同僚や上司から「ねこおばさん、他社でねこおばさんが可愛い子だってことになってるよ(ニヤニヤ)」という事が何度かあったので、真実をさらけ出す時(その会社に初めて行く時)は気が重くて仕方がないの。

 

同性だから期待も何もされてないんだろうけど、彼女が想像してた外見と真実の外見には差があるんだろうな、とは予測がつく。

 

ただね、今のご時世だとマスクがある!

美人の条件である口元、顎のラインが隠れてるんだよ。

体型はどうにもならんくても顔はなんとなーく誤魔化せる。

身体全体の割合から10%にも満たないような面積が隠れてるだけで、その効果は80%以上なんだよ。

 

正直、高杉Jr.さんは小柄でも何でもなく私と同じぐらいの身長で普通の体型の方だった。

可愛らしいというより少し地味かなぁ?

職種が理系になるんだけど、まぁ勉強ずっとやってきた感があるというか。

あーこれ悪口か。

ただね、話してるとやっぱり可愛らしいの。笑い方とか話し方とか。仕草なんかもあんまり机の上に手を置かずに膝の上待機の人。

 

 

二人きりになってしまい思いつくのは『思ったより~』の言葉ばっかりなんだけど、ここで自虐的に『私はよく想像してた人と違うって言われるんですよ~』というのもおかしな話。

こういう時の無言の時間は異常に嫌なので、とりあえず

「高杉Jr.さんが思ったよりも身長が高いので驚きました」と。

やっぱりどうにも『思ったより~』から離れられず、仕方がないので無難であろう身長の話に。

身長の話から年齢をしれっと聞き(30歳ぐらい)、仕事の話へ。

 

とりあえず、仕事の話に辿りつけたらもう安心だよ。

今さらだけど、最初っから仕事の話をすれば良かったんだよ。

 

途中で高杉さんも戻り、資料を確認しながら打ち合わせは終了。

 

最後に高杉さんから本格的に担当が変わることを告げられた。

前からその話は出ていたので、いよいよ今回の案件から高杉さんではなく高杉Jr.さんが担当、ということに。

改めて高杉Jr.さんに挨拶をし、終わるんかと思いきや!

高杉さんが

「マスクをはずして顔をちゃんと見てもらった方がいい」

と言い出した。

 

別にいいのよ。

いつか見る機会はあるんだろうし。

そんな興味ないし。

美人の条件が隠れてる方がいいってこともあるし。

見なくていいものは見なくていい!という考えだし。

そもそもそれ彼女がやったら、私もやらなかんがな。

隠しておきたかった美人の条件部分をさらけ出して『あ~マスク効果すごいな』って思われたくないし。

 

すさかず

「今後またそういう機会もあるので大丈夫ですよ」

と言ってる最中に高杉Jr.さんはマスクを外す。

 

『本当にマスクって厄介だな!』って強く思ったわ。

何だろうなー。

マスク有りでの第一印象は地味な雰囲気の子だったけど、打ち合わせが終わる頃には全体的な総評で『可愛いらしい人だな』という印象になってたの。

なのに、マスクを外した途端に更にマイナスがつくの。つけたくないのに!

というか、マスク外してプラスに転じる。もしくはプラスがつく人というのは美人しかおらんわ。

美人以外の人はどうしたってマイナスになってまう。

 

それが分かったとこで絶対にマスクを外したくないけど、この成り行きでは外さざるえない。

私も大きなマイナスをくらう覚悟で外します。

 

本当に変な空気の中、お互いに

「あっ、こんな顔なのでよろしくお願いします」

と心の内で思いながらも言葉は何も出ない。

二人ともが共通して痛感してることは

『高杉!これ何の羞恥プレイよ!』

ってこと。

ここで高杉が

「僕も外しておきますね」

と。

要らんがな。

変な空気を察して外したんだろうけど、君の顔はうちら知っとる。

それをしたとこで、私達が受けた辱めは緩和されないのよ。

 

落ち込むもないけど、何か嫌な終わり方でいつも以上に疲れたし、時間が経てば何でもなくなるとは思うけど、今後も初対面の人と「マスク外し」タイムを設けられるんであれば、初っ端にそれを持ってきたい。

初めに全部のガッカリを出しきりたいよね。

寝ます!