幻のペペロンチーノ~焼きそば麺

両親と一緒に暮らすようになって発見したのは母親の料理には大当たりがある、という事。

ウチは基本的には夕飯は母親が作っている。

一人の時は「あ~お母さんのご飯が食べたい」と思い、顔を見に行っても出される料理は両親の流行飯なので、なんか違うんだよなぁと思いつつも張り切ってくれていたので何も言えなかった。
(※流行飯とは両親がその時々に嵌っている料理。例:ジャマイカ料理、よく分からないジャンルの創作料理、スパイスカレー、手作りピザ、沖縄料理、パン、塩麹......等々。現在は"あごだし")

今はあの時に恋しがってたご飯が毎日、食べれてる。

流行飯は時々出てくるも、ほとんどは普通のご飯。

仕事が忙しく毎日、外食してた頃は本当に母親の料理が恋しかった。

それが今や感謝も忘れる程になってるわ。

んで、毎日食べてて思うのは同じ料理でも味の浮き沈みがあるんだよね。

みそ汁なんかは、その代表。

不味い!と思うようなのは無いんだけど(あージビエ料理に嵌ってた時は食べれなかったな)普通から美味い!までをフワフワしてる感じ。

 

去年の夏頃かな?焼きそば麺のペペロンチーノを食べたんだけど、美味い!を振り切って脳内グルメ漫画状態になるぐらい美味しかったの。ヒンナヒンナよ。

アシリパさん
ゴールデンカムイのアシリパさん

鷹の爪とニンニクがよく効いてて、ビールによく合うし、パスタ麺より焼きそば麺の方が美味しいんじゃない?ってぐらいのコレだわ感。

近頃はあ~あれ。あれ。何だっけ?と私の記憶のタンスから無作為に言葉が無くなるけど、この時の事はガッチリ覚えてる。

まぁ、去年の夏の話だしね。

もちろん、直ぐに母親に「美味しいーーー!」と賛辞を言い、オバサンの心躍るはっちゃけルンルンなど、痛々しいこの上ないが気にも止められないぐらい気分が上がった。

両親からは「先生」と呼ばれてるクールぶったオバサンだけど、もうこの時はクールとかどっか行くし、ワキワキしちゃってたわ。

この時に「また食べたい!」とリクエストをしたので、ありがたいことに度々作ってくれる。

けどね、あの味じゃないんだよ。

何だろな?美味しいの。

美味しいんだけど、あの味じゃないの。

ワキワキ気分にまでは至らないの。

クールの仮面が外れないの。

結局、最近になって自分で作ってみたんだよね。

ペペロンチーノ自体、作った事無いけど。料理出来ない人じゃないから。鷹の爪とニンニク多めでね。

 

まぁ、不味かったわ。はっきりと不味い。

mokumoku
アーリオ・オーリオなの?アーリオ・オリオなの?どっちでもいいの?ヒレ肉なの?フィレ肉なの?それともヘレか?バイキングとはもう言えない、今やビュッフェだぞ。ベストとジレ。洋服の話は若者ともう出来ません。ジャンバーとか、言えないよ。

ペペロンチーノをとてつもなく甘く見てました。

材料がオリーブオイルと鷹の爪、ニンニクなので私の中では貧乏飯扱いでしたし。

中学生ぐらいまではペペロンチーノが出てくる度に素麺テンションになってたわ。

あー我が家は今、金欠なのね、って思ってたし。

母親の味、とはよく言ったもので受け継いでる料理もあるの。

お正月の雑煮と大根の菜っ葉油炒めだけは。

焼きそば麺ペペロンチーノも教えて貰わないと、とは思うけど母親本人が適当な匙加減で料理してるので、説明聞いても分からん。

雑煮と油炒めの時もそうだったけど、何の調味料も適量という説明。

私「お湯に対してカツオだしはどれくらい?」
母「なんか適当な量」
私「醤油ってどれぐらい?」
母「いい味になるぐらい」
私「どれぐらい炒めるの?」
母「味がついたら」

分からんわ。

材料だけは聞き出せるので後はもう自分の舌と記憶だけが頼り。

ペペロンチーノなんて材料が、どシンプル過ぎて記憶しか頼れない。

だからこそ、もう一度食べたいんだけどね。

お腹空いたわ。