「了解しました」じゃダメなのか。

社会人になって大分経ってから「了解しました」が上司やお客さんには使ってはいけないということWebサイトで知った。

この事を知ってからはなるべく「承知いたしました」「かしこまりました」を使うようにしてるものの話し言葉の中だと、どうしても「りょ、分かりました」「りょ、承知しました」「りょ、かしこまりました」と言ってしまう。

話し言葉じゃなくチャットのようなやり取りが早いものも同じで、最初に「りょ」と打ってしまう。

この「了解しました」何故いけないのか?

 

「了解いたしました」自体は本来、目上・目下にも使えるフラットな表現であるにも関わらず、2000年代後半からビジネスマナー書やビジネスメールの指南書において「了解いたしましたを、目上の人、取引先相手に使うのは不適切」という記述が現れ始めました。

その理由としては、「敬意が感じられない」「軍隊・警察のようだ」「ぶっきらぼうに感じられる」などが挙げられていますが、明確なことは分かっていません。

ー 引用元:U-NOTE:【敬語の意味・違い】承知しました/了解しました/かしこまりました/了承しました

参考サイトでは明確な理由は分からないとしてますが、ビジネス書やマナー本が猛威を奮ったあたりから世に認知されて使えなくなったのか?とも思います。

2015年の下記リンク先記事では「了解です」に対して不快に思う人はまだ少数(全体の1割)だったよう。

2017年のYahoo知恵袋では「了解です」と返事をする部下に違和感を抱く投稿があり、これに対する回答はほぼ「同意見」の回答になってます。

明確な理由ってないんかいな?と思っていたところ、すでにガッツリ調べあげている方がいました。

すごーく分かりやすく説明されてます。

参考サイト先の菊池さんによれば「了解しました」が以下のような移り変わりで世に認識されていったのではないか、とのこと。

ryoukai_enkaku
引用:LIG
【「了解しました」より「承知しました」が適切とされる理由と、その普及過程について】

記事内ではウェブでの認識(2011年頃)がはじまった頃から遡っていき、雑誌の特集のきっかけとなった書籍から、さらにその元ネタ(参考文献)となった書籍まで調べてます。

面白いのはこの参考文献となったマナー本(「メールは1分で返しなさい」2009年発行)では『「了解しました」を目上の人に使うのは不向き』としてますが、同じ著者が初めて出した本(「仕事で差がつくできるメール術」2007年発行)では元々「了解しました」という言葉に抵抗感があった著者が『「承知しました」と聞いて感じがいいな、と真似し出した』という理由で「了解しました」より「承知しました」「かしこまりました」「承りました」を推してるんです。

 

なんじゃいな。きっかけは一個人なんかいな。

と、思うのですが、それが分かったところで「了解しました」を使えるか?と言えばもう使えんのですよ。

突然出現したのか?

「了解しました」がマナー本をきっかけにWebサイトにも広がった感じですが、そもそもじゃあ「了解しました」なんて言葉はなかったんかいな?と。

菊池さんによれば1960年~2000年の間に広まった「了解しました」という言葉。

「了解」という言葉自体が新しい言葉なのであれば、2000年代以前に『違和感・不愉快』と思う人が一定数いることに、理解できる気がするんです。

heyyy
間違った意味・読み方で使われてる言葉が当たり前になっちゃった違和感とかね。
若者言葉だったのが普通に全世代に普及した言葉とかね。

国立国語研究学術情報リポジトリ(仰々しいですな)内に論文が掲載されてました。

これまた面白い内容でした。(参考文献に菊池さんの記事もありました)

この論文によれば言葉の返答(応答詞)で使われるようになったのは無線通信の用語「ラジャー」を日本語に置き換えた「了解」が関わっていること。

「了解」という言葉自体、明治期では【理解】として使われてて現代に至って【理解+承認】から【応答詞】と変化してきたこと。

※【応答詞】での「了解」と【理解】としての「了解」、また【理解+承認】での「了解」がこんがらがるけども分かりやすかったのを抜粋。

【理解】としての「了解」
用例:「了解事項」「暗黙の了解」
【理解+承認】としての「了解」
用例:「了解を求める」「了解済みです」
【応答詞】としての「了解」
意味:無線の返答。指示・命令に対し納得したことを表す返事。
用例:「○○へ急行せよ!」ー「了解!」

単独の「了解」から待遇的配慮(上司にそのまんま使ってえんかいな?の配慮)が必要となり「了解しました」「了解いたしました」と派生していったのでは?と考察してます。

ただ「了解しました」が不適切になったきっかけは菊池さんの考察と違い「○○+です(了解です)」という言葉が幼稚・舌足らず(言葉数が足らず、十分言い尽くせていない)な印象があり「了解です」への抵抗感から「了解しました」が不適切となった一因の可能性もあるのではないか?としてます。

 

「了解しました」という言葉はそうなると新しいってこと?(無線が普及するようになったのはWW2でしょうか)

これを読んでも私にはいまいちよく分かりませんでした。応答詞って何よ?って感じです。(論文自体は面白い)

それが分かったとこで、「了解しました」は使えない風潮なんです。

それがマナーというやつなの?というか誰かが始めたマナーが広がってるだけじゃないの?という気がしないでもないです。

減っていくマナーもあれば増えてくマナーもあるんでしょうね。

誰かを不愉快にさせない為には使っていく必要があるんでしょう。

たかだかでされど

色んな人がこの「了解しました」に対し、否定的だったり好意的だったりしますが、今回私がこの言葉を取り上げたのは非常にくだらん理由なのです。

それが調べながら書きながらしてたら、なんだか大袈裟なことになったので収集がつかん。

 

最初に「了解しました」とよく言いそうになってしまう、と書いてますがそれよりも言いそう、書きそうになるのは「りょすけ!」です。

了解の意味です。

馬鹿みたいな言葉です。

なんでもかんでも語尾に「○○っち」を付けていた平成初期の匂いがします。

どうにもテンションがあがるような時(これは自分の提案が認められた時、すごくいいタイミングで何らかの指示をもらった時など)に「承知しました!」と言うべきところを「りょすけ!」と返したくなるのです。

もしくは「了解のすけ!」と返したくなるのです。

相手が友達ならいいんです。

が、客先や仕事関係の人となると使っちゃいけないんです。

もちろん仕事関係の人全員ではなく、少しくだけた関係を築いてる人に限ります。

限ったとこで使っちゃいかんのですけどね。

せめて「りょうかい!」と言いたい。

けど、それもダメだもんね。

 

「りょすけ!」は勿論ダメだとしても「了解しました」「了解いたしました」は許していいんじゃない?と思います。

影響力の高い人が「了解しました。了解いたしました。はビジネスマナーで何ら不適切じゃない」と言い切ってくれる日がくるか、はたまた、また逆説的なWebコンテンツが流行って「NGじゃなかった?!ビジネスマナーでの了解しました」とかいうタイトルを付けるWebサイトが続出することを願います。

そしていつの日かマナー本を出すような人が『ビジネスマナーにおいての返答例:「了解いたしました」「承知いたしました」もしくは非常に喜ばしいことを伝える為に「りょすけ!」と返答する場合もあります』とか書いてほしいです。

mokumoku
少し話は変わって
ひと昔前に大量発生していたピチピチスーツ&とんがり革靴の営業マンらしき人物達が「わっかりましたーーー!」とよく使っていて、何かの返事を返す度に「わっかりましたー!」とスケジュール帳を開きながら言ってるのを見ててイラついてたなぁ。と思い出したわ。
未だに「わっ・・・かりましたー!」と言う人おるけどね。なんなんだ、あのタメ。

 

はぁー寝よまい。